ヨーロッパドライブのすすめ


※現在、大幅に更新しています。随時更新していきます。

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ニース(Nice)のプロムナード・デ・ザングレ, 2011年10月

勇気をもって始めれば、機動力が一気に増して、なかなか足を運ぶことができないエリアにも簡単に行ける!

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ミヨー橋をドライブする2013年5月

1. 概論

1–1. レンタカーの旅でヨーロッパを駆け巡ろう!

ちょっとお金がかかるし慣れる必要はあるけれど、電車やバスでは行くことのできない美しい街や村にも行けるし、自分のペースで自由に行動できるのが、ヨーロッパレンタカーの旅の最大の魅力だと思います。ロワールの城巡り、フランスの最も美しい村巡り、シチリア島巡り、すべてレンタカーでの旅でした。

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ヨーロッパドライブの魅力

魅力1. すべて自分の思うがままにスケジュールがたてられる

移動がすべてクルマなので、電車やバスといった公共交通機関のスケジュールに左右されず、いつでも自分の好きなときに出発することができます。また、途中で疲れてしまっても、好きなタイミングで休憩することができます。元気なときはおもいっきり移動して観光を楽しんだり、体調がすぐれない時は少し控えめにするなどの調製も可能です。

魅力2. 公共交通機関では行けない場所に簡単に行ける

魅力3. いろいろな種類の車に乗れる

これまでに乗ったクルマ一覧はこちら

魅力4. ヨーロッパの地方文化にたっぷりと触れることができる

魅力5. 荷物が重たくても楽

魅力6. 宿泊の選択肢が広がる

魅力7. トイレ休憩が取りやすい

旅行をしていて困ることの一つはトイレの場所を見つけること。実はクルマの旅だと、給油のためにガソリンスタンドを利用したり、公共の駐車場を利用したりする機会が多く、大抵の場合はそこにトイレがあるのでとても助かります。ただし、渋滞中に行きたくなると辛いですが…。

魅力7. 運転が上手になる

一般道や高速道路では日本よりも30km/hから50km/h程度スピードが速い、大きな街では日本以上に道が混雑しており複雑、旧市街では一方通行ばかり、路駐が多い、石畳の上の走行、狭い路地に人も歩いている、縦列駐車が求められたり駐車場自体が狭い…、こんな経験をすればいつのまにやらあなたの運転も上手になるはず!

1–2. ヨーロッパの基本はマニュアル車

大きなハードルかもしれませんが是非克服してもらいたいのがマニュアル車の運転。確かにヨーロッパにもオートマ車もありますが、ハーツ、エービスといった大手でないと借りられないこと、割高であること、都会でないと借りられないこと、など制限がつきます。個人的にはマニュアル車に慣れた方がヨーロッパドライブはしやすいと思っています。

 マニュアル車のメリットをcheck!

マニュアル車のメリット

a. 街中、郊外の道路での制限速度対応に便利

ヨーロッパでの制限速度は、街中は50km、郊外では70km or 90kmとなっています。速度調整する場合、ギアで調整した方が楽です。50km区間では3速、70km区間では4速、90km区間では5速で簡単に対応できます。制限速度はほぼ厳密に守られており、取り締まりも厳しいので、ギアも利用した調整が安心です。

b. エンジンブレーキを有効活用する場が多い

エンジンブレーキといえばマニュアル車の最大のメリットのひとつ。「下り坂」「高速道路を降りる時」に威力を発揮します。ヨーロッパの田舎道はアップダウンが日本以上に激しいため、下り坂はエンジンブレーキが効いていないと怖い思いをします。また、ヨーロッパの高速道路は思った以上にスピードが出ているので、1km以上手前から一番右車線に寄って速度を100km/h以下に落とし減速距離を十分確保し、エンジンブレーキを効かせながらゆっくりと減速するとよいでしょう。特にドイツのアウトバーンでは、これはすごく大事。

c. 郊外の道で他車を追い越すとき思い通りに加速できる

ヨーロッパの郊外を走っていると、前をゆっくり走っている大型トラックや大型バス、農業用車両に捕まることがあります。快適な旅をしたいならば追い抜くべき。とはいえ、ヨーロッパでは一般道とはいえスピードが速いので、これらを抜くのはそう簡単ではありません。効率的な加速が求められます。自分のイメージやクルマに合った加速をするにはやはりマニュアル車が一番。

1–3. いろいろな種類のクルマに乗れる!

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2. 事前準備編

2–1. 国外(国際)運転免許証の取得

必ず必要な書類。近くの運転免許試験場や警察署で申請ができます。都道府県によって場所や発行までの日数が異なることなるので、ウェブサイト等で調べた上で取得するとよいでしょう。運転免許証、パスポート、写真(タテ5.0cm×ヨコ4.0cm)、手数料2,400円が必要なのは全国共通のようです。

2–2. 「ジュネーブ条約」と「ウィーン条約」のどちらか

国際運転免許に関しては「ジュネーブ条約」と「ウィーン条約」の2種類あり、日本は「ジュネーブ条約」に加盟しています。原則、国際運転免許証が有効な国は、ジュネーブ加盟国でなければいけません。ヨーロッパ諸国ではフランス、スペインなどが加盟しています。

一方、ドイツやイタリアなどは「ウィーン条約」に加盟しているため、日本で発行される国際運転免許証は無効です。しかし、これらの国は日本と相対で運転に関する協定を結んでいるため、国際運転免許証及び日本の運転免許証(ゼッタイに必要、忘れないように!)の両方があれば運転が可能です。

 ジュネーブ条約締約国等一覧をcheck!

ジュネーブ条約締約国等一覧(2016年1月現在)

アイスランド / アイルランド / アメリカ合衆国 / アラブ首長国連邦 / アルジェリア / アルゼンチン / アルバニア / イスラエル / イタリア / インド / ウガンダ / 英国 / エクアドル / エジプト / オーストラリア / オーストリア / オランダ / ガーナ / カナダ / カンボジア / キプロス / キューバ / ギリシャ / キルギス / グアテマラ / コートジボワール / コンゴ共和国 / コンゴ民主共和国 / サンマリノ / シエラレオネ / ジャマイカ / ジョージア / シリア / シンガポール / ジンバブエ / スウェーデン / スペイン / スリランカ / スロバキア / セネガル / セルビア / タイ / 大韓民国 / チェコ / 中央アフリカ / チュニジア / チリ / デンマーク / トーゴ / ドミニカ共和国 / トリニダード・トバゴ / トルコ / ナイジェリア / ナミビア / ニジェール / 日本 / ニュージーランド / ノルウェー / ハイチ / バチカン / パプアニューギニア / パラグアイ / バルバドス / ハンガリー / バングラデシュ / フィジー / フィリピン / フィンランド / フランス / ブルガリア / ブルキナファソ / ベナン / ベネズエラ / ペルー / ベルギー / ボツワナ / ポーランド / ポルトガル / マダガスカル / マラウイ / マリ / マルタ / マレーシア / 南アフリカ共和国 / モナコ / モロッコ / ヨルダン / モンテネグロ / ラオス / ルクセンブルク / ルーマニア / ルワンダ / レソト / レバノン / ロシア / 香港 / マカオ

ジュネーブ条約締約国等一覧pdf(警察庁)

3. レンタカー予約編

予約時に特にチェックすべき項目

  • 借りる場所と返却場所
  • レンタルする日程、時間
  • クラス
  • 保険内容
  • 自損事故に対する保障の有無
  • 走行距離無制限オプションの有無

3–1. レンタカー予約、おすすめはrentalcars.com

レンタカーは事前手配をしておいた方よいです。当日手配でも可能ですが、大手でかつ割高な車種しか残っていないことが多いです。これまで私が利用したことのある会社をご紹介。

レンタカー会社 概要
ハーツ(Hertz) 車種が豊富、AT車も多い。値段は割高。
エイビス(Avis) 車種はそこそこ。オートマ車も若干あり。値段はリーズナブル。
ユーロップカー(Europcar) 車種はそこそこ。オートマ車少しあり。値段はリーズナブル。フランス、スペインに多い。
シクスト(Sixt) 車種はそこそこ。オートマ車少しあり。値段はまちまち。ネットからの予約が優れていておすすめ。ドイツが中心。
バジェット(Budget) 準大手クラスだが使いやすい印象。比較的安め。オートマ車は期待できない。
エンタープライズ(Enterprise) 準大手クラスだが使いやすい印象。安いイメージ。オートマ車は期待できなさそう。rentalcars.com経由での利用経験しかない。

しかし、この中からどの会社を選ぶのかは、国や街、予約時期、そのときの予約状況によりけり。とても難しいです。そこで、便利なのがこのrentalcars.comです。

Rentalcars.comとは、40ヶ国語以上の言語にて、世界167カ国以上でのレンタカー予約サービスを提供の世界屈指のレンタカー業者です。世界中の大手レンタカー各社と提携し、ラグジュアリータイプ、ファミリーカー、ミニバンタイプやオートマ車を含む、多種にわたるレンタカーを提供しています。

rentalcars.comより

僕は必ず初めにこのポータルサイトを確認します。rentalcars.com利用のメリットは以下のとおりです。

 rentalcars.com利用のメリットをcheck!

rentalcars.com利用のメリット

a. 簡単な検索で、多くのレンタカー会社の中から、その都度最適なプランを抽出してくれる

b. 国、地域ごとの相場感が把握できる

c. 安く借りられることが多い

d. 独自の保険がある、あまり高くない

rentalcars.comには、「自車輌損害補償制度(Damage Excess Refund: DER)」というものがあります。国や会社によっては、CDWの中で自損事故が対象外のことがあるので、その場合の保険にもなり得ます。これまでの経験では、5,000円程度追加で支払うだけで付随させることができました。

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バウチャー(Voucher)のサンプル:rentalcars.com


3–2. 制限距離なし(unlimited mileage)の確認

距離制限とは、レンタル期間中にある一定以上の走行距離を超えてしまうと、超過分1km単位で追加チャージが発生してしまうという制度です。しかし、制限距離なし(unlimited mileage)のオプションがあると、いくらでも長い距離を走っても追加チャージは取られません。

事前予約の場合、どのレンタカー会社でも、高級な車種でない限り、基本的にはこの制限距離なし(unlimited mileage)のオプションが付いていることが多いです。

もちろん距離無制限(unlimited mileage)があったほうがいいです。この項目は、予約時には必ず確認するようにしましょう。せっかくですので、ガンガン乗るべき。

3–3. レンタカーの保険

保険制度に関しては、主にEuropcarのサイトを中心に説明していきます。

a. 基本は3種類、TLI、CDW、TW

ヨーロッパレンタカーでの保険の基本は次の3種類です。TLIは強制保険ですが、CDW、TWについては絶対に付随しているか確認が必要です。この3種類は、会社によってはデフォルトの保険となっている場合もあります。

保険の種類 内容
強制対人対物保険(Third party liability insurance:TPLまたはTI) すべての国で加入が義務付けられている強制保険なので、基本的に確認は不要。事故によって相手に怪我をさせてしまったり、相手のクルマ、建物等を破損してしまった場合の支払いを保証するもの。国によって保証限度額に差はあるようですが、基本的には限度額は高め。
自車両損害保険(Collision Damage Waiver:CDW) 国や会社によっては強制であったり任意であったりするので確認が必要。運転手の故意や極端な不注意が原因でなければ、「止まっているもの、あるいは動いているものに衝突した場合」、「暴動等に巻き込まれた場合」、「衝突によって、窓ガラス、ライト、タイヤがダメージを受けた場合」、「自然災害(その国の法律で定義されていることが多い)にあった場合」により発生した事故の被害費用を保証。
自車両盗難保険(Theft Waiver:TW) レンタルされた車両または車両付属品の盗難・盗難未遂が発生した場合の保証をするもの。注意点は免責額があることと明らかなドライバーの過失であった場合には適用できないという点。

その他の保険としては、運転手が怪我、運転手の荷物の盗難への保障などが選択できます。

b. 自損事故(self-inflicted accident)に対する保険

自損事故(self-inflicted accident)については、国や会社によってCWDでカバーしていない場合もありますので、さらに確認しておくとよいです。

これまでの経験では、Europcarは、CDWの中でフランスやスペインで自損事故への保障が適応されていたと思いますが、イタリアでは含まれていなかったと思います。ドイツでSixtを利用した時も、含まれていませんでした。この時は、9日間のレンタルで、デフォルト500ユーロの料金に対し、追加保険料が100ユーロ程度を支払って対応してもらうことにしました。

ただし、rentalcars.comを通して借りる場合は、rentalcars.com独自の保険制度である「自車輌損害補償制度(Damage Excess Refund: DER)」があり、この場合には、自損事故の保証も保障されます。ただし、一旦現地レンタカー会社に支払いをしてから、別途、rentalcars.comに申請手続きをする必要があるので注意してください。

僕の経験では南イタリアで自損事故を起こした時に手数料、営業保証手数料、付加価値税(VAT)以外の支払いはほぼ全額保障してもらえました。

非常によい精度であり、私がrentalcars.com利用を強く進める根拠にもなっています。イタリア(特に南イタリア)は他のヨーロッパ諸国と比べると運転が乱暴なので、特にrentalcars.com経由で申込みこの保険を支払ったほうがよいと考えています。

3–4. レンタカーを借りる場所を決める

主に空港と街の中央駅があげられます。また、街中で借りる場合、ホテルのロビーで待ち合わせて借りるというパターンもあります。

 借りる場所の特徴をcheck!

レンタカー:借りる場所の特徴

a. 空港を選択

ヨーロッパでの運転に慣れるまでは空港で借りることをお勧めします。レンタカーを借りる手続きをするブースも空港のほうが見つけやすいこと、車種が豊富なこと、空港の近くの道は広く自動車専用道路が多いためはじめに運転するときに慣れやすいこと、などがその理由です。

b. 街中、中央駅を選択

都市(大都市)に数日滞在した後に地方を旅行したいという場合、あるいは純粋に街ドライブを楽しみたいという場合は、街中で借りるのもおすすめです。中央駅などの駅ターミナルで借りるのがよいでしょう。ただし、街中は車や歩行者も多いため注意が必要。最近はスマホ等でナビ機能が使えるとはいえ、迷うリスクも高まります。従って、慣れないうちはおすすめできません。心配な場合には、面倒でも一旦空港まで行くなどした方がよいです。

c. 街中、駅以外を選択

駅などが近くにない街の中心地で借りる際によくあるケースです。これまでドゥブロヴニク(クロアチア)とヴァレッタ(マルタ)で経験しました。指定されたホテルに指定時間に行くだけでよいのですが、時間どおりに来なかったりするので要注意です。必ず連絡が取れる携帯電話を持っておくようにしましょう。ほとんどの場合がその街の有名な高級ホテルなので、優秀なコンセルジュがいます。困った時には彼らに相談してみましょう。

3–5. レンタカーを返す場所

借りた時と同じ場所でもよいし、違う場所、すなわち乗捨ても可能です。乗捨ての場合は借りた場所からの距離によって料金が変わります。レンタカー会社によっては国をまたがって乗捨てもできるようです(予約は可能そうでした)が、経験したことがないため、どのくらい可能なのか、どのくらいの料金なのかは把握できてません。

返却場所については、借りるとき同様に旅の日程を考慮して選択するとよいでしょう。

a. 空港で返却を選択

b. 街中で返却を選択

3–6. 街別、空港別レンタカー借りやすさ・返しやすさ情報

場所 コメント
シャルル・ド・ゴール空港(パリ) 難易度 ★★★★☆:第二ターミナル2Fと2Gの間の駐車場にブースがある。到着ロビーを出てから遠くない場所で見つけやすい。高速道路に出る時に方向がわかりづらい。返却しやすい。
モンパルナス駅(パリ) 難易度 ★☆☆☆☆:モンパルナス駅の南西側(モンパルナスタワーとは反対側)にブースあり。ブースから駐車場がやや遠い。駐車場出口付近は比較的クルマが少ないため外に出やすい。しかし、すぐパリの混雑に巻き込まれる。モンパルナス駅までたどり着きさえすれば返却は楽。パリドライブをしたい上級者向け。
ニース・コート・ダジュール国際空港(ニース) 難易度 ★★★★★:非常に使いやすくおすすめ。場所も見つけやすい。駐車場を出るとすぐに有名なプロムナード・デ・ザングレ、ここは広くて走りやすい。空港がわかりやすい場所にあるため、返却時も迷うことはあまりない。ヨーロッパドライブデビューに最適。

4. レンタカー当日現地編

4–1. レンタカーブースを探す

レンタカーを借りる主な場所は空港か駅となるかと思います。

空港の場合は、多くの場合、到着ロビーに出るとすぐに次のような案内板があるので、それを見つけてそれにしたがって行けばOKです。

よほどの例外がない限り、各社のブースが一箇所にそろっています。

しかし、駅の場合は意外と厄介です。駅の橋の方にあったりすることが多く見つけづらいです。ヨーロッパのターミナル駅は広いにも関わらず、多くのレンタカー会社ではウェブで調べてもブースは駅構内としか案内がないため、事前に調べておくのも難しかったりします。ということで、これはもう頑張って探すしかないです。現地の人や駅員さんなどにも聞きながら探しましょう。

4–2. ガソリン車かディーゼル車を確認

給油の時に混乱してしまうのを避けるため、借りる際に必ず確認が必要な項目です。

ヨーロッパではディーゼル車が非常に多いため、かなりの確率でディーゼル車が割り当てられることになります。特にドイツやフランスで多い印象です。しかし、運転していて全く支障を感じません。むしろ燃料代が安くなるのでありがたいです。

「ディーゼルは黄色」、「ガソリンは緑」これだけはゼッタイに覚えておきましょう。

4–3. レンタカーのデポジット

日本でも時々ありますが、ヨーロッパのレンタカーには「デポジット」が必要となります。多くの場合は借りる手続きをする際に現地でクレジットカードでの支払いとなります。借りる車種や期間にあわせて500ユーロ、1,000ユーロといった切りの良い数字で請求されることが多いです。当然ながら、返却が無事完了すればリファンド(払い戻し)されます。

このことを知らないと、前払いなの?事前に聞いていた金額と違うのでは?と混乱してしまいますので、知っておくべき項目です。

5. レンタカー返却編

5–1. レンタカーの返却時の給油

極稀にカラ返しがあるようですが、基本的には日本と同様、満タン返しです。返却時にチェックされますが、メーター横のゲージを見る程度で適当なことが多いです。

もし給油し忘れた時は、その分の料金の請求が、予約時もしくはデポジット時に利用したクレジットカードにきます。どのくらいの金額が請求されるのかは国や会社によってまちまち。過去の経験では、Europcarは自然、Sixtはボッタクリといった感じでした。Sixt要注意。

5–2. レンタカーの返却方法

6. 交通ルール編

6–1. 基本的には日本と同じだがとても合理的

交通ルールに関しては、制限速度などの違いはあれど基本的には日本と同じです。ただし、個人的な感覚ですが、ヨーロッパのほうが圧倒的に合理的にルールが整っているといえるでしょう。以下、特に合理的だと感じたルールや標識をご案内します。これを知っておくとヨーロッパドライブの楽しみ方がぐっと増すと思っています。

6–2.センターライン

対向車線のある道路では、センターラインが書いてあります。「白い破線(点線)=追い越し可能」、「白い実線(つながっている線)」=追い越し不可です。

また、この応用で下のような2重線タイプのセンターラインもよく見かけます。

この場合は右側のラインの指示に従います。この例ですと、自分の車線では追い越し可能(破線)、対向車線は追い越し禁止(実線)となります。

なお、日本のようなオレンジ色の実線はありません。破線なのか実線かどうかだけで追い越し可能を判断できます。

6–3. 優先道路明示の標識

交差点やラウンドアバウトなどでは、どちら側に優先権があるのかをしっかりと認識しておく必要があります。優先権についてしっかりと理解すれば、ヨーロッパドライブはより快適なものになるでしょう。

国によって一部異なるものの、例えば信号のない交差点では右側優先といったルールがありますが、ほぼすべてのヨーロッパ諸国で、以下のような優先権を明示する標識があるので、これを覚えておくと非常に便利。

黄色にひし形マークの場合は、今自分が走っている車線に優先権があります。

一方、赤枠白抜きの逆三角形の標識は、前方あるいはこれから進入する道路側に優先権があることを表しています。

ちなみに一旦停止ではありません。あくまでも、進入側に車があれば譲るないし一旦停止する必要がありますが、車がいなければそのまま通過することができます。

日本にも類似の標識はあるのですが、あいまいな上、あまり見ることがありません。そのせいか日本人は道路の優先権の主張が上手でない気もします。このあたりはヨーロッパを見習ってほしいものです。

後述しますが、この優先権についてしっかり理解していればラウンドアバウトは怖くありません。ラウンドアバウトは単に一方通行であること優先権がどこにあるのか、この2つを理解すれば大丈夫です。

6–4. 制限、禁止区間の解除標識

これもまたヨーロッパドライブで覚えておくべき標識。

グレーの斜め線が入っている標識は、それまでに制限ないし禁止されていた区間が終了することを示しています。特に制限速度に関してのものが多いです。ちなみに日本でも制限・禁止区間の解除標識がありますが、ヨーロッパでは非常によく見かけるので、必ず覚えておいた方がよいです。

例えば、ヨーロッパの一般道の制限速度は90km/hですが、見通しの悪かったり急カーブな場所では70km/hなどやや遅い速度制限が設定されることがあります。しかし、しばらく走りこの制限・禁止区間解除マークが出たら、そこから先はデフォルトの90km/hで走行可能です。その他側道制限以外でよく見かけるのは、追い越し禁止からの解除です。

6–5. ラウンドアバウト(ロン・ポワン)

制度についてはいくらでも解説があるのでまずはそちらを参考にしてみてください。一応、当サイトでも関連記事の投稿があります。

ラウンド・アバウト(ロン・ポワン) 入る前から出るまでの流れ - ヨーロッパドライブ豆知識 ?

ここでは、この10年走って習得したコツを書きます。

 ラウンドアバウト攻略のコツをcheck!

ラウンドアバウト攻略のコツ

その1:前方優先の標識にゼッタイに見つけてみる

「ラウンドアバウトのルールはこうだ!」と無理に覚えるのではなく、「前方優先」の標識を見つけるようにしましょう。ほとんどのラウンドアバウトに入る前に必ずあるはずです。前方優先の標識はラウンドアバウトだけでなくあらゆるところにあり、ヨーロッパドライブの中でも最重要クラスで大事なものには入ります。これを覚える方が大事です。

その2:入るときの視線は軽く左前方を見るだけでよい

ラウンドアバウトに入る直前では、他の車は横から来るのではなく「前方から来る」感じです。確かに入ってしまうと左横や左後ろからクルマが来ますが、ラウンドアバウトは、入ってしまえば横や後方から来る車には優先権はありません。あなたの方が前方にいるからです。また、他の入り口からラウンドアバウトに入ってくるクルマにも優先権はありません。前だけ見て目的の出口を目指せばオッケーです。

7. ナビゲーション編

7–1. Googleマップナビは必須でしょう

いまやヨーロッパドライブの必需品と言えるでしょう。効率のいいドライブの旅をするためにもゼッタイに必要なGoogleマップです。とはいえ、ただでさえ慣れない土地で、左右逆で、スピードも速く、そしてマニュアル車であることを考慮すると

7–2. iPhone(スマートフォン)の固定のしかた

7–3. 運転しながらの利用する場合のコツ

7–4. 紙の地図使えるようにしておくこと

8. 給油編

8–1. 基本はセルフ

ほとんどセルフが多いです。基本的に日本と全く同じです。給油口がどちらかにあるかを確認して給油台の前に停車します。間違えて反対側に停めても、あせらず一旦バックして違うレーンに行くとよいでしょう。それが十分できるくらいスタンドが広いことが多いし、(否かだと特に)混んでいませんし、日本とは違って多少混んでいても、一旦バックして戻ったところで怒られたり嫌な顔をされることはありません。

8–2. ディーゼルかガソリンかを確認

給油台

そして、「ディーゼル(gazole等)は黄色」、「ガソリン(Sans Promb等)は緑」これだけはゼッタイに覚えておきましょう。

なお、ディーゼル車は2015年に発覚したフォルクスワーゲン車の不正問題もあり、今後はなくなっていくかもしれません。しかし、例えそうだとしても、クルマの技術は日々進化していますので、他のエネルギー(ガソリン、電気)のクルマで十分にヨーロッパドライブを満喫できると思います。

8–3. 支払いはお店の中がほとんど

まず、自分の給油台の番号と料金(日本と同じで電光掲示板に表示)を確認しましょう。そしてお店の中に向かい、レジでこの番号を伝えて料金を支払います。番号は英語でもOKですが、このくらいは現地の言葉で伝得たいところです。中欧エリア(ハンガリーやチェコなど)では英語が通じなかったことがありましたが、ドイツ語がよく通じました。

スタンドでは、適宜、トイレの利用や飲み物の補給を忘れずに。

8–4. 支払いが済むまでクルマは給油台の前に停めっぱなしでOK

こういうところ、ヨーロッパ効率悪いなあとは思うのですが、逆にクルマを動かしてお店の前の駐車場まで移動してしまうと、お金払わずに逃げたと誤解される可能性もあるので、停めっぱなしでよいです。次の人はクルマがどいてくれるまで静かに待っているので文句は言われません。こういう余裕は素晴らしいと思います。

9. 高速道路編

9–1. 方角の把握:主要都市の位置は頭に入れておくこと

9–2. 高速道路の料金

a. 無料の国

b. 有料:入口でチケットを受け取るタイプの国

c. 有料:「ヴィニエット」が必要な国

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ヴィニエットというのは、一言でいえば「高速道路走行のための許可証」みたいなものでしょうか。多くの中央ヨーロッパ諸国では高速道路を走る際にこれが必要になります。

こんな感じのステッカーでして、主にガソリンスタンドで購入することができます。国によって違うのですが、7日、1か月、2か月、、1年と有効期限があり、購入した日付がわかるようにスタンドの人がその場で所定の位置にパンチで穴をあけてくれます。

これを、車の中からフロントガラスの端の方にこんな形で貼ります。

いろんな国に行くとこんな感じで何種類も張ることになります。少々うっとおしいかも。

自分が実際にドライブをした国でヴィニエットを採用している国は、「スイス」、「オーストリア」、「チェコ」、「スロヴァキア」、「ハンガリー」、「スロヴェニア」の6ヶ国。

9–3. サービスエリア

10. 駐車編

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フランスの最も美しい村「オートワール(Autoire)2010年4月

10–1. 駐車方法と駐車場

10–2. 縦列駐車はやはり必須

特にイタリアは、広いパーキングが少ないです。観光地近くの路地に縦列駐車する機会が多いと思います。

10–3. 駐車場探しのコツ

10–4. 場所が見つかり無事停められた後にしておくこと

10–5. 駐車料金の支払い方

a. 路上駐車の場合

b. 公共駐車場の場合

11. 宿泊の選択編

11–1. おすすめは旅の状況に応じて現地で適宜決めること

レンタカーの旅では、行動範囲や自由度が一気に広がるため思った以上に早く予定を消化してしまう、もしくは交通事情などで思ったよりも移動することができなかったなど、事前計画では想定できなかったことが起こる可能性がよくあります。それはそれで旅の醍醐味とも言えますが、一方で、事前に宿泊地を決めてしまうと、予定宿泊地に早く着きすぎてしまった、無理にでもそこへ行かなければならない、といった不都合が生じることがあります。

そこで、思い切って事前にホテルは予約せず、旅の状況に応じて現地で適宜決めることをおすすめします。

 現地での予約でよく行う方法をcheck!

現地での予約でよく行う方法

a. 現地で飛び込みヒアリング

夕方頃に泊る街の中心地に駐車して、歩いてホテルを探し空き部屋状況を聞いて回るタイプです。意外といけます。大規模な街よりも中規模やや小規模な街がおすすめ。

b. 到着直前にスマホアプリで当日予約

私は、最近はこの方法が多いです。Booking.comをよく使います。お昼すぎ、あるいは15時くらいになると、おおよそその日どこまで行けるのかめどがつくので、Googleマップなどで到着時間などを調べつつ、目的地を決めホテルを検索します。

11–2. 予約する場合のホテルの選び方

出発前に事前予約、現地で当日予約、いずれの場合においても、駐車することを念頭に入れてホテルを予約することが大事です。いろいろなパターンが考えられます。

 宿泊する街のタイプと注意点をcheck!

現地での予約でよく行う方法

a. 宿泊地が小さな地方の街や村、街から離れている場所

初心者向け。この場合には、ホテルに駐車場が備わっていることがほとんどですし、仮になかったとしてもすぐ近くの路上に無料で停められる場合が多いので、あまり心配いらないでしょう。ただし、地方の村にはあまり食事処がないので、選ぶ際にはレストランの有無や評判などを調べておくことをおすすめします。また、早くつきすぎてもやることがないので、到着時間はよく考えましょう。

例:高速道路IC近くのホテル、郊外のホテル(チェーンホテル)、街道沿いのホテル

b. 小規模の街の旧市街地区で、車の乗り入れが禁止されている場所

初心者-中級者向け。この場合には、旧市街の外側に公共駐車場もしくは路上駐車を選びましょう。その際、Google Mapで衛星写真を見るなどして、その駐車場の有無やそこからホテルまでの距離を確認しておくとよいでしょう。

例:フランスの最も美しい村

c. 中規模以上の街の旧市街地区で、車の乗り入れが可能な場所

上級者向け。旧市街であっても車が進入できる場合があります。ただし、国や街によっては全く公共の駐車場がなく路上駐車をせざるを得ないことが多いので要注意です。乗り入れがでいない小規模の街の旧市街の時のように、旧市街の外側に停めて、目的のホテルまで歩いていく手もありますが、街の規模の大きさによってはかなりの距離歩くことになるので、事前調査をしっかりとしていないと痛い目にあうこともあるので気を付けましょう。

当然ながら道が狭いうえ一方通行も多いのである程度慣れてからの方がよいのですが、大きな街の旧市街に泊まるのは、景色も美しいながらホテルや夜に選ぶレストランも豊富なのでこの上なく楽しいので、私はたとえ運転や駐車が大変でも中規模以上の街の旧市街を好んで選ぶ傾向にあります。

例:サンテミリオン(フランス)、サルラ(フランス)、ベルガモ(イタリア)

d. 地方の大都市

中級者-上級者向け。車も多く街中の運転は難しいですが、有名観光場所や駅付近であれば公共の駐車場は多いので見つけるのは比較的容易ですが、駐車場代は高く目的のホテルが近くにない可能性もあるので注意が必要です。中央駅の近くもしくは町の中心、ランドマークの近くのホテルを選ぶのが無難です。余裕があればストリートビューを見るなどして、ホテル近くの駐車場状況をした調べした方がいいです。料金は高くなりますが、駐車場付きのホテルを選ぶのも選択肢の一つ。

中規模以上の街の旧市街同様、ホテルやレストランの選択の幅が広がりますが、一方で、電車など公共の交通機関でも行くことができる街なので、わざわざレンタカーで行くべきなのかはよく考えた方がよいでしょう。

例:ボルドー(フランス)、トゥールーズ(フランス)、バイヨンヌ(フランス)

11–3. ホテルがなかなか見つからない場合の対処方法

11–4. 路上に一晩駐車する場合

宿泊する場合には、盗難等の安全を考慮して、ホテルの駐車場あるいは公共の大きめの駐車場に停めるのがよいのですが、地方の中規模以下の街ではこのような施設がない可能性があります。その場合は路上駐車せざるを得ません。その際の注意事項をあげておきます。

【路上に一晩駐車する場合の主な注意事項】

a. 夜から翌朝までは無料のところが多い

b. マーケットが開かれる曜日の確認は絶対に必要

12. マナー技術編

12–1. 左ハンドル、右側通行は基本慣れればOK

これについては、とにかく慣れるしかないですが、難しく考えるのは禁物です。

  • 大回りに左折するのが難しい
  • バックミラーが見れない
  • クルマが右に寄ってしまう

12–2. 歩行者はゼッタイに絶対優先

ヨーロッパでは非常に徹底しています。街中でたとえ歩行者の信号が赤であっても譲るくらいの気持ちが大事です。信号のない横断歩道であればどんな状況であっても停まらないといけません。ちなみにヨーロッパの歩行者は信号のない横断歩道は左右など見て渡りません。前を見てそのまま進みます。優先権がはっきりしており、それを理解・主張をしているだけに過ぎず当然のことでしょう。優先権の理解と主張は、日本の交通マナーでも定着してほしい項目のひととです。

12–3. 旧市街走行時の注意点

12–4. 追い越し車線をずっと走るクルマはいません

こちらも徹底しています。高速道路がスムーズにかつ速めの速度設定ができるのも、追い越し車線を走るマナーがしっかりとしているからです。ホント、日本はこの点においてもダメですね…。

12–5. 車線変更のコツは、自己主張とスペースの考え方を理解すること

12–6. 信号の位置

12–7. カーフェリーの乗り方

12–8. カートレインの乗り方

12–9. 交通違反をしてしまったら

 ヨーロッパの交通違反関連の記事をcheck!

12–10. 万一事故にあった場合は

13. おすすめのドライブコース

13–1. フランス

ロワールのお城巡り:難易度 ★★☆☆☆
アキテーヌの美しい村と美食巡り:難易度 ★★★☆☆
プロヴァンス・コートダジュール、歴史と芸術の旅:難易度 ★★☆☆☆

13–2. スペイン

アンダルシア地方:難易度 ★★★☆☆

13–3. イタリア

シチリア島巡り:難易度 ★★★★★