再訪:世界遺産マントヴァ

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訪問日時:2019年10月14日、1泊

この日の宿泊地はマントヴァ、ヴェローナから南へ約1時間ほどの距離にあるロンバルディア州の小都市です。近隣にある、イタリアの最も美しい村のひとつにも選ばれているサッビオネータとともにユネスコ世界文化遺産に認定されています。

念願かなっての再訪

この街を訪れるのは4年ぶり2回目。街がきれいなのはもちろんのこと、とても居心地がよく、よいレストランも多くあった印象、ただ訪問のタイミングが悪く、その当時は日曜宿泊でしたので、翌日は軒並み美術館博物館がお休みで全くといって観光ができなかったため、絶対に再訪しようと心に決めていたのです。

北イタリア旅行2015年9月 第3回:ロンバルディア州の世界遺産巡り その2「サッビオネータとマントヴァ」、ルネサンス期の理想都市

マントヴァの駐車場

比較的近隣にあるヴェローナのように大きい街ではないものの、世界遺産でもあることからとても人気観光都市でもあるマントヴァですが、駐車場事情はあまりよくない印象。駐車場は旧市街周りに点在するのですが、いずれもあまり規模が大きくないため、開いている場所を探すのには一苦労です。

しかし我々は運よく街の東側、中央のソルデッロ広場から数分でアクセスできる駐車場に停めることができました。

こちらがソルデッロ広場。

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マントヴァの歴史

マントヴァはローマ共和国・帝国より前のエトルリア人の時代からすでに人々が定住していたとされています。ローマ帝国分裂後は、東ローマ帝国領の一部となり、その後、ランゴバルド王国、フランク王国、トスカーナ公国の支配を受け、12世紀ころより神聖ローマ帝国における帝国自由都市となります。

1433年、ジャンフランチェスコ1世・ゴンザーガはフローリン金貨12万枚を支払ったことで、神聖ローマ皇帝ジギスムントによってマントヴァ侯位を授けられます。

マントヴァの文化が開花したのはこのゴンザーガ家の支配の時代。特に1490年にエステ家からゴンザーガ家へと嫁いできたイザベッラが文化的造詣の深かった才能ある人物であり、彼女がパトロンとなってマントヴァのルネサンス文化は大いに開花、マントヴァはイタリアを代表する街として発展していきました。多くのルネサンス芸術家のもとで、建造物、芸術作品がここで数多く生まれました。現在、観光名所となっているパラッツォ・ドゥカーレを始めとした建物はこの時代につくられています。

しかし残念なことに17世紀になるとゴンザーガ家は経済的困窮に陥り、一家のすべての絵画・彫刻のコレクションをイギリスに叩き売ってしまったとのことです。それでも現在のマントヴァには、その当時に作られた内装が美しいパラッツォ・ドゥカーレ、教会が残っており、それらを見学することができます。

パラッツォ・ドゥカーレ

4年前に訪れることができなかった場所の一つがドゥカーレ宮殿。ここは比較的朝早くから開いています。アンドレア・マンテーニャ作の結婚の間(花婿の間のほうが正しい翻訳かも)が最大の見所のひとつ。ここにある壁画は1465年から1474年にかけて描かれたということです。

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ここは人数制限があり予約が必要、との情報でしたが、10月のこの時期はシーズンでないのか、当日でも特に予約なく見学することができました。朝一番に訪問したので我々夫婦のみの貸切状態。

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宮殿内はとても広大で見どころが満載。17世紀にコレクションのほとんどを売却したゴンザーガ家ですが、宮殿の各所の間には彫刻ではないものの、まるで本物の彫刻のような絵が部屋の壁一面にくまなく描かれており、それがかえって他の宮殿ではあまりお目にかかることができない特徴になっていると思いました。

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この彫刻風絵画は非常に見応えがあり感動しました。

コレクションがほぼイギリスに行ってしまったとは言えどもいくつかは特別展を行っていたからなのか、絵画のコレクションは見ることができました。

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専門家でもないので詳しくはよくわかりませんが、各地でいろいろな絵画を見てきた経験値からであってもその絵のすごさは多少なりとも実感することができます。

ビビエーナ劇場

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パラッツォ・ドゥカーレ見学のあと、同じくソルデッロ広場に手配していたアパルトマンをチェックアウト。荷物を駐車場に一度置きに行き、次に向かったのが「ビビエーナ劇場」でした。

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ロココ様式の美しいこの劇場はアントニオ・ビビエーナ設計。1770年1月には13歳の頃にモーツァルトがここでコンサートを行ったとの記録が残っています。大きさ的には小編成オーケストラがギリギリ乗るかどうかといったところだったでしょうか。 現在でも数多くの公演が開かれています。

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訪問時、ステージ上ではせわしなくセッティング準備作業が行われていたのですが、これは来週開かれる学会(医学だったかな?)の準備とのことでした。

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こんなところでの学会とか開かれるとか素敵すぎます。

サンタンドーレア・ディ・マントヴァ教会とサン・ロレンツォ教会

ドゥカーレ宮殿の面するソルデッロ広場の南側にも小規模ながら広場エルベ広場があります。

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ここには飲食店、この街で最も古いサン・ロレンツォ教会、そして街で一番の規模を誇るサンタンドーレア・ディ・マントヴァ教会があります。 こちらがサン・ロレンツォ教会。

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原型は3世紀頃につくられたロンバルドロマネスク様式の教会で、11世紀から12世紀はじめにかけて現在の形となったそうです。しかし、1579年に当時のゴンザーガ家の当主がこの教会を閉鎖。その後、住居向けの建物がこの上に建てられてしまい、長い間地下に埋まっていたということです。この教会が再び日の目を見るのは20世紀になってからのことでした。

広場を挟んで向かい側にあるサンタンドーレア・ディ・マントヴァ教会はとても大きい教会です。15世紀に造られました。

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こちらもドゥカーレ宮殿同様に、内装の彫刻風絵画がとても魅力的でした。

レストラン

最後に宿泊した夜のレストランについてかんたんにご紹介。マントヴァも他の近隣の街と同様美食の街。市内には多くのレストランがあります。基本的にトリップアドバイザーで上位にランクインしているレストランは何日も前から予約していなければ入ることができません。月曜日なので大丈夫かと油断していたのですが、お目当てにしていたお店はことごとく満席で断られてしまいました。

しかし中央のソルデッロ広場から近く、我々の手配していたアパルトマンからも近くにある、やや路地裏に入ったこちらのお店がいい感じで空いていたので、ここにお世話になることにしました。

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Tiratappi from TripAdvisor: websiteはこちら

実はこちらのお店、5年前にこの街を訪れたときにもお世話になりました。ワインにこだわりがあったことをとても良く覚えています。お食事もよかったです。

今回はこの地域特有の赤のスパークリング「ランブルスコ」を頼んでみました。実はあまり飲んだことがありませんでした。正直、食事と合わせるのはどうかと思いましたが、味わいはよかったです。

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たまたまなのかこの日はお魚系の食事が多くおすすめということで、パスタもメインも魚系に。おそらく街の周りの湖で取れた魚の料理が揃っていたのかと思われます。

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とても美味しかったです。

5年ぶりのマントヴァ。前回消化不良だったがゆえに今回はとても満喫できたと思いますが、実は近隣の世界遺産でもあり美しい村にも選ばれている「サッビオネータ」を再訪したいので、またこのエリアには間違いなく訪れることになるかと思います。次もし泊まるならばレストランはしっかりと予約していきたいですね。

プロフィール

都内の会社に務める傍ら、休暇を利用して旅行をしたり音楽活動をしているビジネスマン。趣味は、旅行、音楽など。旅行はヨーロッパが中心、現地でレンタカーを借りて旅することにはまっています。フランスの最も美しい村全156箇所を完全制覇!音楽はクラシックが中心。ヴァイオリンの演奏もします。最近は健康のためにランニングを開始。マラソンも。Marathon du Médoc 2014含む数回のフルマラソンを完走しています。