2016年7月 フランス「印象派とグルメの旅」 1-4章:オーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーヴル

少し変わった世界遺産。いろいろな芸術家の故郷。

世界遺産ル・アーヴルへ

セーヌ川河口に位置する港町ル・アーブルは、この旅最初の宿泊。

エトルタからマンシュ海峡(イギリス海峡)に沿ってドライブすることおよそ1時間、パリはもちろんのこと、フランスの地方都市でも見られるような、石造りのバロック以降の美しい建物が並ぶ美しい街並みとはまるで対照的だといえる、コンクリートのビルやマンション群が整然と配置されている、ストレートに言ってしまうと、なんだかコンクリートだらけの少々そっけない雰囲気がするル・アーブルに到着に到着しました。

ホテル前の路上にクルマを停めてホテルにチェックイン。

ホテルの前とはいえ路上駐車なので、いつものようにパーキングチケットを購入。

料金は3ユーロ。翌日9時には出発の予定だったので、もっと細かい小銭があれば2.5ユーロくらいで済んだ気がします。それでも一晩でこの値段は安いといってもよいでしょう。

ちなみにお世話になったホテルですが、

都市で普通に見かけるようなホテルではありましたが、周りはなんだか団地みたいな光景。荷物をおいて一休みした後、早速街へと繰り出しました。

多くの芸術家の故郷

さて、このル・アーブルですが、中世以後港町として発達したということもありますが、この街は数々の有名人を排出しています。芸術家のみ掲げさせていただくと、印象派の代表的人物と知られる「クロード・モネ」、そして、19世紀から20世紀にかけて活躍した「ラウル・デュフィ」。ちなみにデュフィについてはこの街の美術館でその名前を知りました。フォーヴィスムに分類されることがあるようなので、マティスやなどと同時代の画家といえるでしょう。

ところで、あのモネの代表作「印象・日の出」は、このル・アーブルの港を題材に書かれています。

また、次回の投稿であらためて取り上げる予定ですが、モネなどの印象派に多大な影響を与えた外光派の巨匠「ウジェーヌ・ブーダン」は、生まれた街こそセーヌ川を挟んで対岸のオンフルールですが、生まれ育ったのはこのル・アーブルです。

音楽家ではフランス6人組のひとりとして知られる「アルテュール・オネゲル」がこの街で生まれました。(なお、オネゲルはフランス生まれですが国籍はスイス。)

第二次世界大戦後に再建された大規模計画都市

さて、このル・アーブルは、第二次世界大戦末期、ノルマンディ上陸作戦から続くアストニア作戦により、1944年9月5日から6日かけて、イギリス軍の猛攻撃を受け、街は壊滅。死者5,000人、家屋崩壊12,500戸の被害が出しました。この被害は、第二次世界大戦中のヨーロッパの都市の中で最大級だったようです。

そして戦後、オーギュスト・ペレ」という建築家が手動となって、ル・アーブルの再建が始まります。彼は鉄筋コンクリートの巨匠とも呼ばれており、その近代的な理論を駆使して、大規模な街の再建に取り組みました。こうした先進的な取り組みが評価され、2005年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。20世紀以降の街が世界遺産に登録されるケースは大変稀なことです。

こうした経緯もあり、現在の街並みはあまりフランスらしさを感じられない現在の普通の街に見えてしまいます。再建されたのは今から70年くらいも前なのに、まるで最近作られたような街並み。

このくらいの広い道がいたるところにある感じです。トラムも走っています。渋滞はなさそうですが、なんだか閑散としすぎているようにも思えます。

しかし、見方を変えれば当時は、街の機能性を考慮すると大変先進的であり、それ以降再建される都市にも多大に影響を与えたといえるのかもしれません。

確かに、個人的には、ポーランドのワルシャワのように観光を考慮すると、古い街並みを再現したほうがよかったなあとも思いましたが、当時の人にとって見れば、暮らしていくために早急な再建が必要だったことも考慮すれば、ベストな選択だったのかもしれません。

現代的な「サン・ジョセフ・カトリック教会」

そのオーギュスト・ペレによる復興プロジェクトのなかでも特段印象的なものは、街の教会「サン・ジョセフ・カトリック教会」です。この教会も、第二次世界大戦末期1944年9月5日に連合軍とドイツ軍との戦闘により破壊されてしまいました。

非常に大きな、まるで共産主義時代を彷彿とさせるような建物、中央の塔の高さは107mだそうです。

内部はピンク色の雰囲気がとても幻想的で美しかったです。外から見るとちょっとどうかと思う作りでしたが、内部はとても神聖な雰囲気を感じました。これは訪れる価値ありです。

ミシュラン2つ星レストランがあるも入れず

この街には一泊することにしたのですが、困ったのが食事。あまりよさげなレストランが少なかったのです。しかもTripAdvisorで評価の高いレストランは軒並み満席。予約なしでは入れませんでした。

その中でひとつ、このル・アーブルで一番の評価を得ているレストランがありましたが、なんとここはミシュラン2つ星に選ばれているというレストランでした。これはこの街を去った後に気がつきました。それにしてもこのお店に気が付かなったのは、グルメツアーを企画しながらもなんたる不覚!このためだけにも再訪したい街となってしまいました。

幸いお昼をしっかり食べていたこともありそれほどお腹が空いていなかったので、この日の夕食は無しにしました。到着初日なので、正直とても眠かったことも夕食をしなかった理由です。

港にあるアンドレ・マルロー美術館

さて、この街に訪問した目的、世界遺産訪問履歴を残すことももちろんですが、最大の目的はこちらの美術館「アンドレ・マルロー美術館(MuMa – Musée d’art moderne André Malraux)」。

この美術館は海岸沿いにあります。ということで、サンジェセフ教会から歩いてやってきました。この街はさすが現代的な計画都市だけあって、とても広いです。しかし、見どころが集中していなくて観光しづらいのが玉に瑕です。

港もなんだか現代的な工業的な光景なので正直ゆっくり落ち着いて見るような雰囲気はしませんでした。こういうところがル・アーブル、観光しづらいです。もっとも観光客なんてあまりいないのですが。

そして美術館に到着。

ここから本格的な印象派フェスティバル体験がはじまりますが、その詳細は次回にまわしましょう。(続く)

プロフィール

都内の会社に務める傍ら、休暇を利用して旅行をしたり音楽活動をしているビジネスマン。趣味は、旅行、音楽など。旅行はヨーロッパが中心、現地でレンタカーを借りて旅することにはまっています。フランスの最も美しい村全156箇所を完全制覇!音楽はクラシックが中心。ヴァイオリンの演奏もします。最近は健康のためにランニングを開始。マラソンも。Marathon du Médoc 2014含む数回のフルマラソンを完走しています。