Evernoteコンテキスト、WSJや日経の記事が全文読める!? – Google Reader後の情報収集術

本当にGoogle Readerが無くなってしまった時はショックでした。これからの僕の情報収集、一体どうなるのかなって。

しかし、本当にGoogleの言うとおりになっている…。Google Reader終了後、feedlyに移行し今でも使っているのですが、RSSリーダーで自分だけで情報を集めに行くだけというのは、確かに彼らが言うとおり、もう前時代的なことかなあ、最近特に強く思っています。

しかし、だからといって、数年前から注目され始めていた「キュレーション、キュレーター」も、個人的には、限界あるなあと…。

しかし、Evernoteコンテキスト機能、これが2015年以降の新しい情報収集手段になるのではないか。そう思い始めています。それは、ある機能に気がついたから…。

Evernoteのコンテキストとは

Evernoteコンテキストとは、昨年10月より搭載されたプレミアム会員向けの新機能。

ノートの下方に表示されるこんなものです。

Evernote公式ページ:

よくある質問: コンテキスト機能について
https://blog.evernote.com/jp/2014/12/10/45879

コンテクストの説明、抜粋してみます。

コンテキストは Evernote の新しい機能です。Evernote を使っている時に、ノートの内容と関連性があり、参考になると思われる情報を独自のアルゴリズムで自動検索します。参考情報を自然にピックアップすることで自分で検索する必要を無くし、作業の質や効率を高めるお手伝いをすることが目的です。自分専用の賢いアシスタントがいるようなものとお考えください。

そして、コンテキストで表示される情報はこちら。

  • 自分の過去のノート(Evernote Business ユーザの場合は、同僚から共有されたビジネスノートも含む)
  • ダウ・ジョーンズとその他パートナー企業による関連ニュースと記事(英語)
  • 関連する人物の LinkedIn プロフィール

さらに、

2015 年初頭以降に、日経電子版による日本語のニュースと記事も追加されます。また、将来的には、Evernote ユーザにとって有益と判断できれば他の情報提供元も追加する予定です。

とのこと。

どうです、使えそうですか、よさがわかりましたか?

確かにこのニュース、昨年末くらいに聞いた覚えありますし、実際使っていて下に何か出るねーと気がついてはいましたが、まあ過去のノートや関連ネット記事をピックアップするくらいなので、多少は便利、その程度にしか思っていませんでした。

しかし、もっと素晴らしい良さがそこにはあった!

Evernoteコンテキストを通してWSJ記事の全内容が見れる!

最近、英語の勉強も兼ねてなるべく英語のニュースを読むようにしています。仕事柄金融経済系のニュースもフォローしたいので、Wall Street Journal(WSJ)、Reuters、Bloombergなどを見るのですが、ご存知の通り、WSJのウェブ版は有料会員でないとすべてのテキストが見られない記事がほとんどです。

しかし、WSJの有料会員でなくても、なんとEvernoteコンテキストを通して、その記事内容が全部見れることをこの間発見してしまいました。

どういうことなのか、簡単に解説します。

例えばウェブサイトでちょっと気になったWSJの記事のURLにアクセス。でも、有料会員でないとコンテンツのすべてを見ることができません。

でもとりあえずEvernoteのノートにクリップしておきます。私の場合だとChromeの拡張機能を利用してクリップしています。iOSであればfeedlyでもchrome、safariからでもクリップが可能です。

そして、このクリップされたノートをEvernote内で見ます。一番下の方に行くと、以下のように関連する記事やノートの一覧が表示されます。

ところがクリップした記事がWSJの記事の場合、全く同じ記事がコンテキスト上に表示されます。

これをクリックすると、先ほどブラウザ内ではすべて表示できなかったWSJの記事が、なんとEvernoteアプリ内にてすべて見ることができるのです!

そして、この記事そのものをノートブックに保存することができます。ボタンひとつで簡単に。

もちろん、この機能、iPhoneでも利用可能です。

平日朝の時間帯、移動中は基本iPhoneですから、iPhone利用によるこの一連のながれ、すなわち「気になったウェブをiOS機能を利用してクリップ→あとでEvernoteでチェックする」、これが非常に簡単にできるわけです。

WSJや日経の有料会員にならなくても記事全内容が閲覧可能になる!

ということで、ようやくこの連携:

Work Smarter with The Wall Street Journal & Evernote http://evernote.wsjplus.com/

すなわち、前述の抜粋を再掲しますが、

ダウ・ジョーンズとその他パートナー企業による関連ニュースと記事(英語)
2015 年初頭以降に、日経電子版による日本語のニュースと記事も追加されます。また、将来的には、Evernote ユーザにとって有益と判断できれば他の情報提供元も追加する予定です。

の意味がわかった気がします。

つまりこれは、「Evernoteプレミアムの会員であれば、WSJや日経の有料会員にならなくても、コンテキストを上手に活用すれば、自分の関心のある記事の全内容を読めるようになる」ということ。もしかして、非常に画期的な発見?

今のところはWSJのみ対応のようですが、2015年初頭には日経も対応といっていますね。

ちなみに、有料会員の料金(電子版のみ)は、WSJ は月28.99USドル日経は4,200円、それに対して、Evernoteプレミアム月たったの450円ですから、他のプレミアム機能のことも考慮すれば圧倒的に得です。

おそらくEvernoteがメディア側にお金を払っているのでしょうね。

このメリットになかなか気づきづらいし、特に今のところは英語の記事以外は大したメリットがなさそうですし、そもそもEvernoteのプレミアム会員になってそれをフル活用するなんて、IT好き、ガジェット好き以外いない気がするので、かなりニッチ過ぎるでしょう。でも、これはこれで、メディアの収益モデルの新しい形だとも言えそうです。

さらに、あくまでも個人的感触ですが、このEvernoteのコンテキストのマッチング機能、結構いい感じなので、他の有料メディアとの連携が増えると、さらにEvernoteのプレミアム会員の利用価値が高まると思います。というかそうなって欲しいですね。

もっとも、(少々皮肉をいうと)日経新聞愛好サラリーマンような人には、これがどういうことなのかを理解してもらえなさそう(失礼)。それを考えると、日経との連携が果たして実現するのかどうかは、ちょっと気になるところです。(日本のメディアはこういう考え方がキライってイメージがどうしてもありますからねえ…。)

ということで、これがEvernoteコンテキストの本当の魅力ではないかという話。リリースから数ヶ月たってやっと気が付きました。プレミアム会員であることの価値がまた一段と高まったと思います。

こうしたメディアとの連携はこれからの時代の流れ?

ちなみに同じようなことがFacebookでも密かにできたような記憶があります。WSJのフィード記事は、ウェブサイトで直接見ると有料会員でなければ全文見れないのですが、Facebook内だと全文見ることができることがあったような気がします。

しかし、Evernoteと決定的に異なるのは、FBの場合、フィードされる記事はすべて発信側、すなわちWSJ側が選びますので、それらが必ずしも自分の関心ある話題だとは限りません。一方、Evernoteでは、あくまでも自分が関心のある話題を自分でピックアップしてこれます。当然ながら、どちらが優れていると判断できるものではなく、あくまでも、用途に応じたそれぞれのメリットがあるものだといえます。

いずれにしても、このような点においては、FacebookやEvernoteは、GoogleやAmazonより上手に立ち振る舞っている気がします。SNSやCloud系企業の、このような既存メディアとの連携はこれからの主流になるのかもしれません。こうしたマネタイズであれば、消費者側としては喜んでフィーを提供して、その企業の利益に貢献していきたいですね。

追記2015-03-16:日経新聞も追加されました

本日2015-03-16より、当機能に日経新聞も加わったようです。

Evernote連携ガイド Evernote連携を使って、日経電子版をフル活用しよう! http://pr.nikkei.com/guide/evernote/

事前予想通り、詳細見れました!

ますます便利になること間違いなしです。

プロフィール

都内の会社に務める傍ら、休暇を利用して旅行をしたり音楽活動をしているビジネスマン。趣味は、旅行、音楽など。旅行はヨーロッパが中心、現地でレンタカーを借りて旅することにはまっています。フランスの最も美しい村全156箇所を完全制覇!音楽はクラシックが中心。ヴァイオリンの演奏もします。最近は健康のためにランニングを開始。マラソンも。Marathon du Médoc 2014含む数回のフルマラソンを完走しています。